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<デヴィッド・フィンチャー監督作品の全て>映画監督で選ぶ”自分に合った映画”

デヴィッド・フィンチャー Movies column
出典:eiga.com
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『ゾディアック』2007年

配給会社: パラマウント映画
    ワーナー・ブラザース
興行収入:$84,785,914
らしさ:8.0
IMDb:7.7

Amazon:4.2

作品紹介

アメリカでも特に有名な未解決殺人事件”ゾディアック事件”を追う男たちを描いた作品。2020年現在も未解決なこの事件を題材にしているだけあって、スッキリする様な展開ではありませんが基本、彼の作品はそんなに”スッキリ”する作品は無いので許容範囲内。
不気味な事件を終始、”不気味な”雰囲気で描き切ったそういう意味では非常にデヴィッド・フィンチャー”らしい”作品。
一撃のインパクトは強くないですが、作品として終始ハラハラさせられる素晴らしい作品です。

あらすじ

1969年7月。カリフォルニアで若いカップルが何者かに襲われ、女性は死亡。男性も重傷を負うという事件が発生。
この事件の後、新聞社サンフランシスコ・クロニクルに”ゾディアック”と名乗る人物から犯行声明が届く。
この犯行声明には、カップルの襲撃事件の他に2件の殺人を起こしたこと、またその2件で犯人にしか知りえない情報が記載されており、この手紙の主が犯人であることは明白となります。さらに暗号が記載された”怪文書”が同封されており、この”暗号”を公表しないと犯行を繰り替えすと犯人からの脅迫が入ります。
この新聞社で働く記者のポール(ロバート・ダウニーJr)と風刺漫画家のロバート(ジェイク・ギレンホール)はこの暗号解読に取り掛かる。
一方サンフランシスコ市警では、捜査官のデイヴィッド(マーク・ラファロ)とウィリアム(アンソニー・エドワーズ)がこの事件の捜査を開始。
果たしてこの連続殺人犯を逮捕する事は出来るのか?

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』2008年

配給会社: パラマウント映画
     ワーナー・ブラザース
興行収入:$333,932,08
3
らしさ:7.0
IMDb:7.8

Amazon:4.2

作品紹介

デヴィッド・フィンチャー×ブラッド・ピットの3作品目。
”80歳の状態で生まれ、年を取るごとに若返る”という男の人生を描いているのですが、この設定はありそうでなかったなと。
逆に加齢が物凄いスピードで進行する『ジャック』とか、この作品より後にはなりますが加齢が止まった『アデライン、100年目の恋』とか、両方非現実なんですが”まだ”受け入れやすい内容ですが、若返っていくという突飛な展開はこの作品でしか味わえないと思う。
とはいえ、その突飛な内容を映像やストーリー展開で視聴者にすっと受け入れられるものにしているのは非常に見事。
名言も多く、人生に大事な事を教えてくれる。一度観ても、多分ふと見たくなるようなそんな作品。

あらすじ

2005年、強力なハリケーンが接近しているニューオリンズで、老女デイジー(ケイト・ブランシェット)は娘のキャロライン( ジュリア・オーモンド)にある日記帳を読み聞かせてくれるように頼みます。その日記の主はベンジャミン ・バトン(ブラッド・ピット)。
ベンジャミンは80歳の様な醜い体を持って産まれてきたせいで、父のトーマス(ジェイソン・フレミング)に老人施設の前に捨てられてしまいます。
そんな彼をその老人施設で働くクイニー(タラジ・P・ヘンソン)は見つけて育てる事とに、当初80歳の様な体だった彼は、年齢を重ねるにつれどんどん若返っていきます。そんな中”運命の人”若かりし頃のデイジー(マディセン・ベイティ)と出逢うのでした。
普通の人として年齢を重ねていくデイジー。逆にどんどん若返っていくベンジャミン。共に年齢を重ねていけない2人にどんな結末が待っているのか?

『ソーシャル・ネットワーク』2010年

配給会社:コロンビア映画
興行収入:$224,920,315
らしさ:7.0
IMDb:7.7

Amazon:4.2

作品紹介

世界最大のSNS「Facebook」の創始者、マーク・ザッカーバーグの半生を描いた伝記映画。とはいえ”まんま”ノンフィクションではなく多分に脚色されています。ザッカーバーグ本人も映画視聴後「基本的なところで間違っていることが多々ある。Tシャツのデザインとサンダルは忠実だったけどね。」と言っているほど。
マーク・ザッカーバーグという現代の偉人をベースに法廷劇を中心としたサスペンス要素に、スマートな演出やカットといったデヴィッド・フィン
チャーの色が乗っかった作品。
興味が無くても、観ていると引き込まれる魅力のある映画です。
この作品をみてFacebookを始めようと思う人は多分いない。

あらすじ

ハーバードに通うザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)は、エリカ(ルーニー・マーラー)に振られた腹いせに、ルームメイトのエドゥアルド(アンドリュー・ガーフィールド)と大学のコンピュータをハッキングして女子学生の写真を集め、女の子の顔の格付けサイト「Facemash」を立ち上げる。
これにより、ザッカーバーグは謹慎処分を受けるも反省する事もなく、”身近な人の情報”が多くの人の関心を得られる事を「Facemash」がサクセスを大量に獲得出来た事から考えていた。
その経験から誰でも申請さえすれば参加できる『Facebook』を作ろうと画策するのがだが、作成にはより複雑なアルゴリズムを書き、サーバーを確保する必要があった。
それにはエドゥアルドの力は必要だったのだが、その頃から2人の間にはすれ違いが発生し始める…。
世界最大のSNS「Facebook」を作り、家庭を富も全てをも手に入れた男”マーク・ザッカーバーグ”。何億という支持者や成功の裏には何があるのだろうか?

『ドラゴン・タトゥーの女』2011年

配給会社: コロンビア映画
興行収入:$232,617,430
らしさ:8.5
IMDb:7.8

Amazon:4.7

作品紹介

デヴィッド・フィンチャー作品の中で最も”サスペンス映画”をしているサスペンス映画。変なタイトルと思うかもしれないですが、本国原題も”The Girl with the Dragon Tattoo”とそのまま。原作(スウェーデンの小説)のタイトルは”Män som hatar kvinnor”(女を憎む男たち)。
登場人物の一族が多すぎて、日本人には名前の処理だけで少し序盤がしんどい。個人的にはそんな事を書きながらも好きな作品。
前作『ソーシャルネットワーク』に引き続き、ルーニー・マーラーが出演しているが変わりすぎて多分気づかない。素晴らしい女優さん。
不穏なでクールなオープニングに、精神的にぶっ飛んだ人たちの心理描写。日本版ではボカシも入る過激なシーンの数々。全体を通して女性蔑視に対しての反発。そしてあのエンディング。デヴィッド・フィンチャー色濃いめです。
続編的な作品『蜘蛛の巣を払う女』では主演も変更し、監督はフェデ・アルバレス。デヴィッド・フィンチャーは製作総指揮に。
こちらも気になる方は観てみては?

あらすじ

スウェーデンの「ミレニアム」という雑誌の記者ミカエル・ブルムクヴィスト(ダニエル・クレイグ)は大物実業家ヴェンネルストレム(ウルフ・フリバーグ)の武器密売をスクープするも、証拠不十分で逆に名誉毀損で訴えられ全財産を失ってしまう。そんな彼のもとに別の大物実業家であるヘンリック・ヴァンゲル(クリストファー・プラマー)から”ぜひ会って話がしたい”と一本の電話がかかってくる。
ミカエルはに会いに行くのだが、ヘンリックから告げられたのは40年前に発生した”姪のハリエット失踪事件”の犯人捜し、名門一族であるヴァンゲル家の”謎”を解明して欲しいとの依頼だった。見返りにヴェンネルストレムとの裁判判決を逆転させるような証拠を渡すという約束を受け、彼はその”謎”の解明に取り掛かるのだった。40年前の事件の真相を追いかけるミカエルだったが、1人ではどうしても時間も人手も足りず助手が必要だと判断し、ヘンリックの弁護士ディルク(スティーヴン・バーコフ)から自分の調査をしたリスベット(ルーニー・マーラー)のことを聞き、一緒に調査にあたる事に。
ミカエルとリスベットは一族の”リエット失踪事件”の真相にたどり着くことが出来るのか?

『ゴーンガール 』2014年

配給会社: 20世紀フォックス
興行収入:$361,800,000
らしさ:8.0
IMDb:8.1

Amazon:3.7

作品紹介

ギリアン・フリンによる同名の小説を基にした、デヴィッド・フィンチャーの記念すべき10作目にして、今のところ最新作。
結婚とは夫/妻という立場、役割を演じる事という”世間体”を気にするという事を暴走させたような作品。普通に狂気的。
ストーリーは二転三転。登場人物の評価もグルグル変わる。中盤に種明しがされますが、それ以降も化かし合いというか”世論”をどう味方につけるか。みたいな展開があり最後までハラハラすること間違いなしです。
関西テレビ制作のドラマ『僕のヤバイ妻』(2016)を観て面白いと思った人は観てみては?当初、ドラマに盗作疑惑が出たほど激似。好みはあると思いますが個人的には『ゴーンガール』の方が面白い。

余談だが、DVD版に収録されているデヴィッド・フィンチャーの説明動画も面白い。

あらすじ

結婚5周年の日、ニック( ベン・アフレック)が家に帰ると家は荒らされ妻エイミー(ロザムンド・パイク)は姿を消していた。夫ニックは警察に捜索を依頼しながらも本人も会見やボランティア集会など乗り気では無いにしろに奔走していた。
そん中、ロンダ・ボニー刑事(キム・ディケンズ)は、この失踪事件が殺人事件では無いかと疑い始める。捜査をするとニックはエイミーのカードで買い物をして多額の借金があった事。エイミーが付けていた日記にDVの内容が書かれていた事などから、ニックに疑いの目が向けられる。
ただこれは、ニックにとっては思い当たりの無い事であり”本当に”彼はエイミーを殺してはいなかった。
時間が経つにつれ操作の目や世間から意見は厳しいものになっていくのだが、これは全てエイミーの計画通りで彼女は自作自演で失踪したに過ぎなかったのである。
自作自演で失踪したエイミーの目的は?
警察や世間からバッシングを受けるニックはどうなるのか?

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最後に…。

デヴィッド・フィンチャー監督の特徴や、監督作品をご紹介しましたが如何だったでしょうか?
2020年10月に新しい彼の監督作品「Mank/マンク」がNetflixがより配信される予定です。
『ゴーン・ガール』以来6年ぶりの長編映画作品となる今作、凄い楽しみですね。
デヴィッド・フィンチャー作品は観る人に”答え”や”解釈”を委ねる様なエンディングが多く、考えさせられる映画が多いですが、その分ストーリーは重厚でドップリとその世界感に没入出来るはずです。
是非一度、彼の作品を観た事が無い人も、このページを見て観たくなってくれると嬉しいです。

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