SFアクションマトリックス映画コラム

今さら聞けない…『マトリックス』シリーズのストーリーや“謎”や“疑問”を徹底解説!!

今さら聞けない…『マトリックス』シリーズのストーリーや“謎”や“疑問”を徹底解説!! SF
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『マトリックス』シリーズの難解な“謎”と“疑問”について

このページから『マトリックス』シリーズに登場する用語と、皆さんが“?”に思う謎や疑問を解説していきます!
一応、上から読んで頂くと流れで分かる様に書いていますが、個別に知りたい方は、上の目次から飛んでください。

なぜ仮想世界「マトリックス」が必要なのか?

今さら聞けない…『マトリックス』シリーズのストーリーや“謎”や“疑問”を徹底解説!!_なぜ仮想世界「マトリックス」が必要なのか?
出典:Amazon

前段で説明した通り、『マトリックス』シリーズにおける現実世界では機械と人類の戦争が起き、機械が勝利。そして機械たちが自分たちのエネルギー源として目を付けたのが人間の持つ熱や人間の脳から発するエネルギーでした。

そこで、機械たちは人間をプラグに繋ぎ発電させるのですが、ただ繋いだだけでの意識のない人間はエネルギー量が少なく、またはすぐに命が尽きてしまうという問題が発生してしまいます。
そこで「生きている」と錯覚させることで“意識”を保つために作られた世界こそが「マトリックス」の世界でした。

「マトリックス」は“誰”が作ったの??

マトリックス_キャラクター相関図&登場人物一覧_アーキテクト(ヘルムート・バカイティス)
出典:IMDb

これは本編上でも語られる/登場しているので明らかですが、「アーキテクト」と呼ばれるプログラムが機械のエネルギー不足を解決するためにマトリックスを創造しました。
と言っても、出てくるこの「アーキテクト」もプログラムなので、プログラムがプログラムを作ったという事になるので何ともややこしいですが…。

『マトリックス リローデット』で判明しますが、劇中で語られる『マトリックス』の世界は実は6回目の世界であり、これまでもアーキテクトはマトリックス世界を何度も作っては失敗してきています。

それは彼が、合理的でYes/Noで割り切ったプログラムであるからであり、そんな彼が目指す「完璧な世界」だったからな訳です。そんな世界を修正する為に生まれたプログラムが予言者オラクルでした。

これまでの失敗した「マトリックス」とは?

予言者オラクルについて解説する前に、アーキテクトの作った過去の「マトリックス」がなぜ失敗したのかを解説していきます!この“なぜ”失敗したかが『マトリックス』シリーズのラストにも繋がるので…。

まず最初の「マトリックス」は理想郷のような完璧な世界でしたが、完璧すぎて人間は活動しなくなりました。それを鑑みて2番目では非常に厳しい環境にしましたが失敗。3番目の「マトリックス」で人間に自由意志で選択出来る世界を作り仮想世界としては成功しました。

しかし3-5番目の成功した「マトリックス」でも、1%くらいの人間が“仮想現実”と認識、覚醒してしまい、その人間が増えるとリセットされるという世界が「マトリックス」としてのシステムとして定着したのです。

そして“仮想現実”と認識、覚醒してしまった人類が増加する度に

①どうしても「マトリックス」に適応しない、例外の人間達をザイオンに排斥する
②その中から出現する“救世主”を捕まえて、彼が持つ例外性(アノマリー)を分析して管理プログラムを改良する
③ザイオンを滅ぼし、新たな23人をマトリックスから排斥して再び新しいザイオンを作る

という手順を踏んでアップグレードを重ねてきました。
このシステム化されたアップグレードには“救世主”という存在が不可欠なのですが、こちらは“救世主とは”で詳しく説明します。

じゃあ予言者「オラクル」って何なの??

マトリックス_キャラクター相関図&登場人物一覧_オラクル(グロリア・フォスター)⇒(メアリー・アリス)
出典:IMDb

では、決まったルールでアップデートを重ねる「マトリックス」という世界に、そもそも“なぜ”予言者なんて言う不確定な未来を見据えるプログラムがあるのか?

普通に考えると凄く「マトリックス」のルールに背反するプログラムですが、その存在理由は先ほどの失敗した「マトリックス」に有ります。最初と2回目の失敗から電池化した人類から効率的に電力の供給を受ける為に「マトリックス」上で人間の自由意思を採用したのですが、アーキテクトは合理的なプログラムなので“意思”、“感情”というものを理解できません。

そこで登場したのが、人間の行動を理解し予測する為に作成された直感プログラムであるオラクルです。オラクルは、アーキテクトには扱えない曖昧な領域である“意思”、“感情”から来る選択を確保し、それにより、人間という不確定要素を含む「マトリックス」を安定化させたていたのです。

一定数の目覚めた人類は“なぜ”「マトリックス」に戻るのか?

今さら聞けない…『マトリックス』シリーズのストーリーや“謎”や“疑問”を徹底解説!!_一定数の目覚めた人類は“なぜ”「マトリックス」に戻るのか?
出典Warner Bros.

一定数の人間が「マトリックス」の異変に気付き現実世界に覚醒するのは理解頂いたと思いますが、その目覚めた人達は“なぜ”再び「マトリックス」に潜るのでしょうか?

普通に考えれば現実世界で機械たちと戦う力を養うか、機械たちに怯えながらも慎ましい生活を送ればいいのですが、目覚めた人間は危険を犯して「マトリックス」に戻っていくのです。この行動は一般的な感覚からすると結構異質です。実際に「マトリックス」に戻りたいと言う様なサイファーの様な人間も出てきます。

この一見異質な行動は非常に偉大な目的があり、それは「マトリックス」という仮想世界を通じて「マトリックス」のメインシステムを破壊し、全人類を解放する事。それを実現する為に、目覚めた人たちはまず脳に戦闘の技術や武器の知識などをインプットされ「仮想世界」で戦う術を身に着けるのです。

「マトリックス」側から見れば彼らの様な目覚めて侵入してくる人間は“コンピュータウィルス”のようなものであり、それを排除するためのセキュリティソフトがエージェント達となります。

なお、現実世界に目覚めた人類は“人類の解放”のために結集し、「ザイオン」と呼ばれる砦で機械たちから隠れて生き、機械たちへの反撃の機会を伺う事になるのです。と言っても先ほど書いた通りこの「ザイオン」という存在も作られた存在ではあるのですが…。

なんで「ザイオン」を機械は直ぐ潰さないのか?

今さら聞けない…『マトリックス』シリーズのストーリーや“謎”や“疑問”を徹底解説!!_「ザイオン」に住む人たちって??
出典:Fandom

作られた現実世界の人間の聖地「ザイオン」。名前の由来もギリシャ語で聖地を意味するシオン(zion)から。
現実世界で唯一機械の存在を脅かす存在である人間をなぜ“わざわざ”匿う様な場所を提供するのでしょうか?

この理由は至って簡単。一定数集まらないと“救世主”が現れませんし、現れた後「マトリックス」をリセットする時に1か所に纏まっていた方が削除するのに簡単だから。です。
これもパソコンに置き換えると“ゴミ箱”です。聖地がゴミ箱とは何とも皮肉な話であり、合理的なアーキテクトらしい発想。

「ザイオン」に住む人たちって??

今さら聞けない…『マトリックス』シリーズのストーリーや“謎”や“疑問”を徹底解説!!_なんで「ザイオン」を機械は直ぐ潰さないのか?
出典:Pinterest

「ザイオン」の住人たちは、これまでの内容からも分かる通り“そもそも”ザイオンに移住させられた23人の子孫。若しくは「マトリックス」から目覚めた人間のどちらか。劇中に登場するネブカデネザル号の登場していたドーザータンクが前者で、ハーマン評議員なんかが後者。

なおザイオンに住む『マトリックスリローデッド』の冒頭で初登場して、ネオを崇拝する青年(キッド)は映画シリーズでは無く『アニマトリックス』と言うマトリックスにまつわる9つの短編アニメのオムニバス集が出身だったりするので、見ていない人には“誰?”となったかも知れない…。

で、救世主って何??

今さら聞けない…『マトリックス』シリーズのストーリーや“謎”や“疑問”を徹底解説!!_で、救世主って何??

ここまで読むと、何とも“救世主”という存在もきな臭くなってきました。
そもそも“救世主”とは、どのような存在なのでしょうか?

『マトリックス』シリーズではこの“救世主”という役割を主人公のネオが果たしています。
この“救世主”という存在は、「マトリックス」の情報を分解し、自分の望むとおりに書き換える事が出来る能力を有しており“人類”にとって救世主の様に見えますが…。その実は違う所にあります。

それが“これまでの失敗した「マトリックス」とは?”で書いた、失敗した「マトリックス」をリセットする時のシステムです。
これまでの失敗した「マトリックス」でも救世主は登場しており、救世主が誕生すると最終的にはアーキテクトに辿り着くように計算されているのです。そこでは「機械に吸収され次世界の創造のために現在のザイオン(人類)を見捨てる」か「吸収を拒み全人類の破滅を選ぶ」かの2択を迫られます。

普通に考えると、この2択の選択肢は「一部の人類の死滅」or「全人類の死滅」なので「機械に吸収され次世界の創造のために現在のザイオン(人類)を見捨てる」か「人類と機械双方の破滅を選ぶ」の選択肢しかない一択問題です。

当たり前の様に、これまでの救世主も現在のザイオンを見捨ててきました。そして機械側も救世主を吸収する事により「マトリックス」世界を安定的に保つために「人間の心」のデータを集積していたのです。果たして“救世主”とは“どちら側”に対しての“救世主”何でしょうか…?

「吸収を拒み全人類の破滅を選ぶ」選択をしたらどうなった??

では、この2択の内「吸収を拒み全人類の破滅を選ぶ」を選択した場合、どうなるのでしょうか?
人類が居なくなると、人類を電力の供給源にしている機械達も非常な不利益を被るハズです。

実際に劇中でも「そんなことになると機械のエネルギー源が無くなってしまい機械も全滅するのではないか?」と、ネオはアーキテクトに質問しています。
その質問に対するアーキテクトの回答は「それは我々が受け入れる生き方のレベルによる。」でした。

つまりは、人間が死滅しても供給量は減るものの代替となるエネルギー源があると示唆しているのです。ここまで聞いたらやはり一択問題である線が濃厚なのですが『マトリックス』シリーズの救世主は一味違いました…。

『マトリックス』シリーズの救世主“ネオ”の選択は?

今さら聞けない…『マトリックス』シリーズのストーリーや“謎”や“疑問”を徹底解説!!_『マトリックス』シリーズの救世主“ネオ”の選択は?
出典Warner Bros.

結果としては「吸収を拒み全人類の破滅を選ぶ」が、人類滅亡には抗う!という斜め上の選択でした。
そんな事が許されるの?という話ですが、許されました。

そもそも、この選択肢を選ばされている時、アーキテクトの存在する「ソース」の外であるマトリックス世界でネオの最愛の人物であるトリニティーはエージェント達と激闘を繰り広げていました。しかも劣勢に陥っていたので、トリニティーを助けたいネオとしては吸収されるわけにはいかなかったのです。

そしてトリニティーを助け出したネオは、斜め上の回答を実現する為に機械の神『デウス・エクス・マキナ』との直接交渉に挑むのです。

更なる『マトリックス』シリーズに残る“謎”や“疑問”

こちらも、項目数と文字数が多く…。次ページにも続きますので次ページよりご確認ください!
今回の記事については次ページが最終ページですので、もう少しお付き合い下さい!!

コメント

  1. グローバル日本海サムライ より:

    最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタインの理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズムにんげんの考えることを模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。なにかしら多神教的で日本的ななつかしさを感じさせるなにかによって。

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