DCEU映画コラム

DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)に思う事。失敗?明日は明るいのか??

DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)に思う事。失敗?明日は明るいのか?? DCEU
出典:wallhere.com
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DCエクステンデッド・ユニバース(DC Extended Universe/DCEU)はDCコミックスを原作とするキャラクター達が同一の世界観のもとで描かれるメディアミックスしたクロスオーバーシリーズの事。
マーベル・シネマティック・ユニバース(Marvel Cinematic Universe/MCU)と比較すると苦境に立ってると言われても仕方がないこの取り組み。なぜ苦境になっているのか??個人的な意見を中心にまとめてみました…。

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そもそもDCコミックスのキャラクターって??

そもそも論になってしまいますが、DCコミックスのキャラクターと言って誰を思い描くでしょうか?
私は「バットマン」でしたが、多分一般的には「バットマン」「スーパーマン」の2強になると思います。
本場アメリカのコミックサイト”ComicVine”のランキングでもこの2ヒーローは堂々の1位.2位。
不動の人気ヒーローであることは間違いありませんし、当然DCエクステンデッド・ユニバースでもこの2人のヒーローが中心になっていきます

バットマン(Batman)/ブルース・ウェイン (Bruce Wayne)

コミック初登場:1939年
身長:188㎝
体重:95㎏

世界で最も人気/知名度の高いダークヒーロー
ダークヒーローの概念は彼から始まったと言っても過言ではない存在。
バットマンは他のヒーローの様に、超常の力はなく身体的な能力はただの人間。
ただし、人間の範疇内で極限まで鍛え上げた肉体と多様な格闘術。天才的な卓越した知能と探偵術。そして産まれ持った潤沢な資産を惜しみなく利用した数々のガジェットを利用する。『ジャスティス・リーグ』においてもフラッシュから「能力は何?」と聞かれ「”金持ち”だ」と答えている。
特にゴッサムシティでの長年の経験から白兵戦闘技能についてはDCヒーローの中でも最高クラスを誇り、超常のパワーを持つ敵に対しても頭脳とガジェットを駆使して勝利する事も珍しくない。

忘れられがちなので、もう一回書きますがバットマン自体の能力はただの人間

スーパーマン(Superman)/クラーク・ケント (Clark Kent)

コミック初登場:1938年
身長:191㎝
体重:107㎏

世界で最初のスーパーヒーロー
彼の前にスーパーヒーローは無く、全てのヒーローは彼の後に続く偉大なヒーロー。
地球人ではなく、クリプトン星産まれ地球育ちのクリプトン星人。本名はカル=エル。

能力についても、考えられる最高の能力を持ち合わせる小学生が考えたような(本当に考えてのは高校生)チート能力の持ち主。核爆発にも耐え、80万トンもの物体を持ち上げ、最高時速800万キロという速さで空を飛ぶ。更には透視能力を持ち、目からはヒートビジョンという熱線を眼から発し、息を吐く事で対象を凍らせるフリーズブレスという能力までもち合わせています。
唯一の弱点はクリプトナイトという、彼の母星にある鉱石。
クリプトン星人の弱点がクリプトン星にある理由はさておき、この石が無い限り彼は無敵キャラクターであり続けます。本当にチート偉大過ぎる。

更には「ワンダーウーマン」「フラッシュ」もTOP10入りしており日本での知名度はさておき、非常に人気のあるキャラクターが終結している事には間違いありません。
なのに、なぜがパッとしない…。

なぜパッとしないのか??①:DCEUシリーズの構成

まず第一に挙がるのは、シリーズの構成では無いでしょうか?
『マン・オブ・スティール』で始まった、DCエクステンデッド・ユニバース(DC Extended Universe/DCEU)は3年後にはMCUでいう所の『シビル・ウォー』にあたる『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』を公開します。2作目でバックボーンの描かれない主役級が2人も追加で登場するわけです。

出典:Yahoo映画

MCUについては『アベンジャーズ』で各キャラクターが合流する前に”キチンと”各キャラクターの単体映画があり、そこでキャラクターを深堀し認知させ『アベンジャーズ』で合流した時のワクワクをきちんと醸造しているのに対し、
DCEUにはこれが無いので主要キャラクターの初出タイミングでは何の思入れも何もなく、そもそも知らないので”誰それ?”状態になってしまうという残念な状態になってしまった感があります。。。

出典:screenonline

せめて、DCEU版『バットマン』は単体で1本やってほしかった。個人的にティム・バートン版『バットマン』や『ダークナイトシリーズ』のイメージと、ベン・アフレック版バットマンはズレが結構強い。少々ムキムキし過ぎやないですか?

なぜパッとしないのか??②:2大ヒーローの飛びぬけた知名度

「スーパーマン」に「バットマン」。この2ヒーローの知名度が高すぎて他キャラクターがどうしても”見劣り”する。そして、この2大キャラクターは過去に何度も映画化されており”見飽きた感””これじゃない感”がどうしてもある。
※以下のRANKはEmpire onlineの独自ランキング(TOP50)参照

出典:Aamazon

前にも書いた通り、MCUはキャラクター個別の映画がきちんと整備されている事もあり全ての主要キャラクターが立っており、主人公(ストリート上メインとなるキャラクター)「アイアンマン」もこの2大キャラクターと比べると知名度が無かったので、観ている人と映画のキャラクターイメージに大きな差が発生しなかったと思う。
知名度が高すぎるのも問題だし、低いのもいきなり登場はハードルが高い。

出典:Aamazon

繰り返しになりますが…『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の時点で、『ジャスティス・リーグ』の各キャラクターはチラッと出すぐらいなら、各キャラクターの作品を1本でも作っておけばよかったのに。

なぜパッとしないのか??③:2大ヒーローの戦力差

とはいえ、DCEUの中でも抜群の知名度を誇る「スーパーマン」に「バットマン」が参戦しない訳は無いのですが、この2大ヒーローの戦力差も問題の1つ。
片やチート級の無敵超人「スーパーマン」と努力の人間「バットマン」では戦力差が大きすぎる。
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』でも「バットマン」はあれやこれやと、小細工に次ぐ小細工をしないと勝負にならない。
※『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』公式の特典映像でも説明されてます。

出典:Amazon

その結果、DCEUの主人公的立ち位置は必然的に「スーパーマン」になるのですが、今度は”強すぎる”。基本「スーパーマン」にはクリプトナイトを使わない限り、負けません。多分あの指パッチンも彼一人で対応出来ます。
そうなると当たり前的に彼を登場させる時間を下げなくては行けず、主人公の不在の様な状況になってしまうという悪循環。
MCUを毎度比較対象にしてしまうのも…ですが、「アイアンマン」の立ち位置に「バットマン」を置いて彼を中心に話を進めれば、話が違うかったのでは?というのが個人的な感想。
実際、ガジェットのオーバーテクノロジー感を除けば近い存在ですし。

とは言え、DCエクステンデッド・ユニバース(DC Extended Universe/DCEU)にだって明るい話題が無いわけではない!

DCEUの明るい話題①:ワンダーウーマン+アクアマン

初出こそ「ワンダーウーマン」は『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』。「アクアマン」は『ジャスティス・リーグ』と単体映画では無いですが、この2人のキャラクターの単体映画は興行的には成功していますし、続編となる『ワンダーウーマン 1984(公開済み)』『Aquaman2(2022年公開予定)』など期待できる作品が公開されます。
こういった2大キャラクター以外のバックボーンが描かれる作品が増えれば、いつか来る『ジャスティス・リーグ2』も明るいハズ!?

ワンダーウーマン (Wonder Woman) /ダイアナ・プリンス(Diana Prince)

コミック初登場:1941年
身長:183㎝
体重:75㎏

世界初の女性スーパーヒロイン!!
実は神様。凄い美人。彼女自体がGOD KILLER。
人間離れした超怪力と耐久力などの驚異的な身体能力に、超人的な頭脳を持ち、10以上の言語を理解する。アマゾン族の王女として、外界から隠されたセミッシラ島で来る厄災に向けて訓練を積んでおり、銃火器以外の武具を一通り達人級に扱う。原作では飛行能力があるが、DCEUでは飛行能力は無く「スーパーマン」に匹敵するパワーは弱体化。

映画『ワンダーウーマン』の評価
DCEUとしては全米で『バットマンVSスーパーマン』を上回る興行収入を叩き出し、DC映画の中では当時『ダークナイト』以来の傑作という評価。

出典:Warner Bros. Pictures

アクアマン (Aquaman) /アーサー・カリー(Arthur Curry)

コミック初登場:1941年
身長:185㎝
体重:147㎏

水陸両用のスーパーヒーロ!!
海底王国アトランティスの王。海底人と人類のハーフ。魚と話せる!
ジャスティスリーグの創立メンバーで、時速数百キロで泳ぐことが可能。海底人らしく深海の水圧に耐えられる身体能力を持ち、地上においてもその耐久力は鉄壁の防御力を誇る。更には原子力潜水艦を持ち上げるほどの怪力を誇る。性格は粗暴で短気。MCUで言う所のロキです。有難う御座います。

映画『ワンダーウーマン』の評価
ジャスティスリーグメンバー1の不人気キャラとして不動の地位を確立していたが、映画が公開されるとDCEUで最も高い興行収入$1,148,461,807(全世界)を叩き出し、世界興行収入ランキングでも23位と健闘。
アニメ化に続編にと、一番DCEUの恩恵を受けたキャラクター。

出典:Warner Bros. Pictures

DCEUの明るい話題②:リブート作品が目白押し

日本でもハロウィンの定番になったマーゴット・ロビー演じる「ハーレークィン」が参戦する『ザ・スーサイド・スクワッド』が2021年に。DCコミックスの中で人気を誇るも前作が不評に終わってしまった「グリーンランタン」が時期は未定だが『Green Lantern Corps(原題)』としてリブートする事が決定している。
両方人気のある作品の為、DCEUの起爆剤になる事を期待。まぁ『ザ・スーサイド・スクワッド』は扱いにくい作品ではありますが…

出典:Warner Bros. Pictures

DCEUの明るい話題③:マルチバース化

出典:Fandango公式Twitter

MCUでも『スパイダーマン』でのマルチバース化が噂話として一時期独り歩きをしていましたが、DCEUでは一足先に公式にマルチバース化する事発表。
2022年公開予定の「フラッシュ」初の単独映画『The Flash(原題)』では1989年公開のティム・バートン版の『バットマン』で「バットマン」を演じたマイケル・キートンの出演が決定しており、複数の並行世界に存在する「バットマン」が登場する予定。2022年以降はマルチバースで世界が展開していく!?
これにより、話は複雑化するものの”キャラクターの制約”が広くなるので物語を広げやすい環境が揃ったと思えます。

最後に…DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)について

2021年現在、DCエクステンデッド・ユニバース(DC Extended Universe/DCEU)は厳しい状況にあるのは間違いないかと思いますが、当初の予定からズレてはいますが今後も各キャラクターの単体映画に、いつかは当初の構想通り『ジャスティス・リーグ パート1』『ジャスティス・リーグ パート2』『ジャスティス・リーグ 完結編』もやってくれるハズです!
今回触れられなかった「シャザム」や「サイボーグ」などの個性的なキャラクターも多いDCコミック。
またジャスティス・リーグの創立メンバーでまだ出てきていない「マーシャン・マンハンター」など、これからもどんどん楽しみになる情報が開示される事を期待しながら見守っていければと思います。

MCUは観て事があってもDCEUは観た事が無い人は是非見て欲しい。世界観も暗いけど、そこまで暗くないよ!DCコミックの世界感が”暗い”のはデッドプールの戯言です。

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