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『パラサイト』だけじゃない。2000年代の韓国映画のススメ【10選】。尖り倒した映画たち。

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昨年ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が第72回カンヌ国際映画祭では韓国映画初となるパルム・ドールの受賞、続いて今第92回アカデミー賞で作品賞を含む4部門を受賞して話題になりましたが、”今だから観たい”『韓国映画』を紹介します。
2000年代も最早20年前ですが、今観てもきっと面白い。韓国映画のススメ!!

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2000年代の韓国映画たち

韓国映画が日本に入ってくるきっかけになった作品と言えば「シュリ」(1999年)ではないでしょうか?
2000年代より1年早いですが…この作品は日本でもスマッシュヒットとなり18億円の興行収入を記録し韓国国内でも総動員数600万人と、人口の32%もの人が見た作品です。
この作品から、2004年ごろの所謂”韓流ブーム”までは「暗い」「サスペンス」「サイコ」そして「グロい」

格差社会とか、腐敗した体制批判とか尖り倒した作品が多いです。1つ観て””面白い”と思える方は、2000~2004年ぐらいまでの放映作品は観ても時間の無駄にはならないハズ。逆に”辛い”と思う人はハッキリ言って合わない作品たちが多いです。
特に『猟奇的な彼女』(2001)から韓国映画を観始めた人は、この辺の作品は真逆である事が多く注意が必要です。

2004年以降、”韓流ブーム”が到来すると「暗い」「サイコ」な作品たちと打って変わって「明るい」「ラブストーリー」が主軸となってきて、日本でも『四月の雪』(2005)とか『私の頭の中の消しゴム』(2004)がヒットしていきました。
その後は”韓流ブーム”の終焉と共に、認知度が低くなっていくわけですが…。
という訳で
この2000年代の韓国映画は本当に”濃く””尖った作品”が多いんです!

”2000年代”おすすめ韓国映画:サスペンス/クライム編

監督:カン・ジェギュ
出演:キム・ユンジン

  ハン・ソッキュ
製作:1999年

『シュリ』(1999)

【あらすじ・解説】

秘密情報機関OPの特殊要員ジュンウォン(ハン・ソッキュ)とジャンギル(ソン・ガンホ)は最近多発する暗殺事件の裏に、以前から追っている謎の女スナイパーの影を感じていた。そして遂に自分の命が狙われ、恋人の身を案じた彼は、彼女をホテルへかくまう。いつもと様子が違う恋人に、何が彼女を苦しめているのか分からず戸惑うジュンウォン。そんな中、驚異的な破壊力を誇る液体爆弾CTXが強奪される。同じ頃ソウルでは、韓国と北朝鮮両首脳が列席するサッカー南北交流試合の華やかな舞台の準備が進んでいた・・・。

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公開は1999年ですが、2000年代の韓国映画の日本放映の間口を開いた作品ではないでしょうか?この頃の韓国映画は、ハン・ソッキュ率が異様に高い!
全体的に暗い世界感に、サスペンスにラブストーリーありとこの年代の韓国映画をギュっと凝縮したような作品。この映画で”キッシンググラミー”を知った人もいるのでは?
この年代の韓国映画を観始めるなら、最初に観る事をオススメします。
この作品が面白いと思えば、違う作品も多分面白い。

監督:チャン・ユニョン
出演:ハン・ソッキュ

シム・ウナ
製作:1999年

『カル』(1999)

【あらすじ・解説】

被害者の身体が切断され、その一部が紛失しているという事件がソウルで連続して起こり、捜査を進めるチョ刑事(ハン・ソッキュ)は、被害者とかつて交際していた美しい女性スヨン(シム・ウナ)へと行き着いた。自分の過去を喋ろうとはしない彼女に接近していくチョは、やがて悪夢のような真実を知ることに・・・。

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謎が謎を呼び、謎が加速し謎のまま終わる。結論は視聴者に委ねる「Theオープンエンディング」そんな映画。スプラッタ/グロ耐性があってサスペンスが好きな人は多分面白い。
難点はレンタルショップでもあまり置いていないし、サブスクでも見かけないので視聴するのがやっかいな点。
この映画が面白いと感じれば、これ以降の韓国映画のスプラッタシーンも多分大丈夫!何度も見返したくなる作品の1つ。

監督:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ

  キム・サンギョン
  パク・ヘイル
製作:2003年

『殺人の追憶』(2003)

【あらすじ・解説】

ソウル近郊の農村で、同じ手口による若い女性の惨殺事件が連続して発生。地元の刑事パク・トゥマンとソウル市警から派遣された刑事ソ・テユンは対立しながらも捜査を続け、有力な容疑者を捕らえるのだが……。

映画.com

『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホ×ポン・ジュノ。
本当にあった事件が原作となっており、公開時では未解決事件でした。
この映画が公開された後、犯人は捕まりこの映画も視聴していたとか。
そう思うと最後のシーンは鳥肌もの。犯人はこの最後のシーンをどういう思いで見ていたんでしょうか‥‥?
古い警察の体制を批判しながら、事件を風化させずにエンターテイメントに昇華させている引き込まれる作品です。

監督:パク・チャヌク
出演:チェ・ミンシク

  ユ・ジテ
  カン・ヘジョン
製作:2003年

『オールド・ボーイ』(2003)

【あらすじ・解説】

ごく平凡な人生を送っていたオ・デス(チェ・ミンシク)はある日突然拉致され、気がつくと小さな監禁部屋にいた。理由も分からぬまま15年監禁され続け、突如解放される。復讐を誓うデスの元に現れた謎の男(ユ・ジテ)は、5日間で監禁の理由を解き明かせと命じるが……。

Yahoo!映画

土屋ガロン原作の日本コミックを映像化した作品。後にハリウッドでもリメイクされていますが、韓国映画ならではの暗さ、グロさ、街の感じなども合わさり個人的にはコチラの方がおススメ。
引っかかる点が無いことは
無いが、よく出来たストーリー展開で最後まできっと楽しめる。
横スクロールの様なカットなど独特なシーンもあり今観ても古くあまり感じない。

この映画に限った事ではないが、映画に出てくる催眠術は万能を通り越して最早チート。

監督:ナ・ホンジン
出演:キム・ユンソク

    ハ・ジョンウ
  ソ・ヨンヒ
製作:2008年

『チェイサー』(2008)

【あらすじ・解説】

デリヘルを経営する元刑事ジュンホ(キム・ユンソク)のところから女たちが相次いで失踪(しっそう)して、ときを同じくして街では連続猟奇殺人事件が発生する。ジュンホは女たちが残した携帯電話の番号から客の一人ヨンミン(ハ・ジョンウ)にたどり着く。ヨンミンはあっけなく逮捕されて自供するが、証拠不十分で再び街に放たれてしまい……。

Yahoo!映画

サイコパスvsデリヘルの店長。この言葉だけでは凄くチープな感じがしますが、非常に面白い。韓国というお国柄もあって凄くリアルに感じる作品。
※実際にあった事件がモデルですし…
昔『神様もう少しだけ』というドラマを見てHIV検査数が急増した事もあったが、この映画を見せればデリヘルとかで働く女性も減るかもしれない…。
他の韓国映画よろしく、最期までスッキリする事は無いが後味は悪くない。夜一人で観るには最適な映画。

監督:ヤン・イクチュン
出演:ヤン・イクチュン

   キム・コッピ
   イ・ファン
製作:2008年

『息もできない』(2008)

【あらすじ・解説】

「家族」という逃れられないしがらみの中で生きてきた二人。父への怒りと憎しみを抱いて社会の底辺で生きる男サンフンと、傷ついた心をかくした勝気な女子高生ヨニ。歳は離れているものの、互いに理由もなく惹かれあった。
ある日、漢江の岸辺で、心を傷だらけにした二人の魂は結びつく。それは今まで見えなかった明日へのきっかけになるはずだった。しかし、彼らの思いをよそに運命の歯車が軋みをたてて動きはじめる……。

Amzon

胸糞が悪い。共感できない。不愉快。でもすごく引き込まれる作品。
終始暴力。観てる方も「息が出来ない」状態。
韓国における格差社会、貧困層問題をこれでもかと詰め込んだ作品。
この時代の韓国映画あるあるですが、この作品もレンタルショップにほぼない…。サブスクでレンタルするのが視聴するには多分一番早い。
暗い辛い作品ですが、最後のシーンには目頭が熱くなる事、間違いなしです!

”2000年代”おすすめ韓国映画:ラブストーリー編

監督:クァク・ジェヨン
出演:チョン・ジヒョ

  チャ・テヒョン
  キム・インムン
製作:2001年

『猟奇的な彼女』(2001)

【あらすじ・解説】

大学生のキョヌ(チャ・テヒョン)は、地下鉄の中でベロベロに酔っ払った彼女(チョン・ジヒョン)と出会う。周囲に彼女の彼氏だと間違われたキョヌは、彼女を介抱するハメに。そこから2人の付き合いは始まるが、彼女は凶暴な性格でキョヌを家来のように扱う。しかしキョヌは彼女に惹かれていた。ある日彼女が両親の命令でお見合いをした夜、キョヌは急に現場に呼び出される。キョヌは複雑な思いを隠し、お見合いの相手(イム・ホ)に彼女と付き合う心得を教えた。次第に彼女もキョヌの温かさに心動かされていくが、実は彼女には辛い過去があり・・・。

wowKorea

この作品はリメイクも各所でされ、知っている人も多いと思います。
非常にポップで軽快に進むストーリー。後半にかけて話は重たくなりますが、最後はそこに繋がるのね。っていう感じの綺麗なストーリー展開で非常に面白い作品。
作り手の騙したいポイントにまんまとハマって気持ちい作品。
1回見たら”キョヌ”の名前は忘れない。あと”I Believe”は名曲。
韓国映画が苦手でも、この作品は大丈夫。
笑えて泣ける、いつ観ても楽しい気持ちになれるラブストーリー。

監督:イ・ジェハン
出演:チョン・ウソン

  ソン・イェジン
   ペク・チョンハク
製作:2004年

『私の頭の中の消しゴム』(2004)

【あらすじ・解説】

建設会社の社長令嬢スジン(ソン・イェジン)は、天性爛漫なお嬢様。建築家志望のチョルス(チョン・ウソン)とコンビニで運命的な出会いをし、2人は恋に落ちる。温かい家庭で育ったスジンとは違い、チョルスは孤独に生きてきたが、スジンの献身的な愛に結婚することを決意。建築士の試験にも受かり、幸せいっぱいの新婚生活を送る2人。しかし、スジンはある日から物忘れが酷くなる。診察を受けたスジンは、若年性アルツハイマー症だと診断され・・・。

wowKorea

日本のテレビドラマ『Pure Soul〜君が僕を忘れても〜』のリメイク作品。日本でも話題になり公開された当時、韓国映画史上第1位の興行収入を記録した作品。
ドラマ原作の12話に対し、こちらは上映時間117分と2時間を切る物語ですが、個人的には格段にこの映画の方が良いです。ちょうどよい長さ。
救いが無い様で、ちゃんと救いがある。韓国映画なのに
…。
日本のドラマ原作な事もあり、日本人が好きなストーリー展開にきっとこみ上げるものがあるハズです。観た事が無いなら観ても外さないと思う作品。

”2000年代”おすすめ韓国映画:その他

監督:キム・ジウン
出演:イム・スジョン

   ムン・グニョン
製作:2003年
ジャンル:ホラー

『箪笥<たんす>』(2003)

【あらすじ・解説】

スミ(イム・スジョン)とスヨン(ムン・グニョン)の姉妹は長期入院を終えソウル郊外にある家に帰ってきた。ママ母のウンジュ(ヨム・ジョンア)が迎え入れてくれたが、なぜかスミはウンジュを嫌い、スヨンはウンジュに怯える。その晩、亡くなった実母の幽霊の悪夢にうなされるスミ。一方でスヨンの部屋にある箪笥から奇妙な気配を感じとるスヨン。その中に封印されている何かが、数々の怪奇現象起こしているのであった。その箪笥の中にはいったい…。

wowKorea

韓国の古典怪談「薔花紅蓮伝」の映像化作品。
グロイ、怖いよりも、生理的嫌悪感を生むような演出に韓国映画独特の暗さがマッチし何とも言えないホラー作品になってます。
当たり前ですが、この作品もスッキリしません。色々と複雑にし過ぎた感もあるぐらい、解釈に困る。人によって解釈が異なる作品ではないでしょうか?
一度観ると、他の人の感想も聞きたくなる。そんな悲しいホラー映画です。

監督:ポン・ジュノ 等
出演:ソン・ガンホ

  ピョン・ヒボン
製作:2006年
ジャンル:アクション

『グエムル -漢江の怪物-』(2006)

【あらすじ・解説】

韓国の平和の象徴ともいえる河・漢江(ハンガン)に、ある日正体不明の巨大怪物“グエムル”が現れる。河川敷で売店を営むパク一家の目の前で、人々は次々と襲われていく。とうとう長男カンドゥ(ソン・ガンホ)の娘ヒョンソがさらわれてしまい、しかも“グエムル”は感染者を死に至らしめるウイルスの宿主だと発表した政府に隔離されてしまう。しかし携帯にヒョンソから着信があり、カンドゥは家族とともに脱出し漢江へ…。

wowKorea

こちらもソン・ガンホ×ポン・ジュノ監督作品。
結局、救われない世界観なのは、やはりこの時代の韓国映画。
モンスターパニックものですが、モンスターの造形自体がまずグロい。そして登場人物は娘のヒョンソ以外はみんなおかしい。
色々おかしい設定なのに、見るうちに引き込まれる今観ても面白い作品。

ハリウッドとは一味も二味も違うモンスターパニックを味わってみては?

最後に…”2000年代の韓国映画”:まとめ

この時代の韓国映画はハリウッド映画にない「暗さ」と何とも言えない”後味”が病みつきになります。
ここでは挙げてない作品もいっぱいあるので、気になった/気に入った方がいれば是非この機会に見て欲しいです!
※レンタルショップ/サブスクに無いことが多いので、観るには今期も必要ですが…。
ちなみに…期間の問題もありますが、上で書いた作品の一部は”Amazonプライム”でも視聴可能(一部レンタル※有料)です!

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