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『ラ・ラ・ランド(LA・LA・LAND)』2015年:<あらすじ>と考察・ネタバレ

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2015年公開の映画『ラ・ラ・ランド(LA・LA・LAND)』の作品紹介と簡単なあらすじ。感想とネタバレを含んだ考察を公開しています。

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作品紹介

「冬」から始まる春夏秋冬の4つの場面と、5年後の世界で描かれるロマンティック・ミュージカル映画
脚本・監督はアカデミー賞を3部門受賞した『セッション』のデミアン・チャゼル。
主演は『ラブアゲイン』『LAギャングストーリー』に次いで3回目の共演。ライアン・ゴズリングとエマ・ストーン
第74回ゴールデングローブ賞ではノミネートされた7部門すべてを獲得。
第70回英国アカデミー賞では11部門でノミネートを受け、6部門を受賞。
第89回アカデミー賞では史上最多14ノミネートに対し、6部門を受賞。
(監督賞、主演女優賞、撮影賞、作曲賞 、歌曲賞、美術賞の計6部門)

あらすじ

夢を持った若者たちが、夢を叶える為に集まる街。ロサンゼルス。
映画スタジオのカフェで働く女優の卵のミア(エマ・ストーン)は何度もオーディションを受けるも落ちてばかり。
ある日、芸能関係者の多く集まるパーティーにミアは出かけるのだが、その帰りにフラッと立ち寄った店で、ジャズ・ピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)の演奏に魅せられる。
セバスチャンは、いつか自分の店を持ち大好きなジャズを思う存分演奏したいと夢を描いていた。
やがて二人は恋に落ち、互いの夢を応援し合う。
そんな中、ミアは夢を追いかけセバスチャンの応援もあり一人芝居を公演することを決める。
セバスチャンはというと、ミアの他愛の無い電話のやり取りから、現状を憂いて旧友のキース(ジョン・レジェンド)の誘いに乗り、本心ではやりたく無い演奏の仕事を始めるのだった。
セバスチャンは、キースに誘われたバンドで成功し2人はすれ違い始める。
更には、昔ながらのジャズを演奏したいセバスチャンの気持ちをミアが問いただし…。

二人の恋の行方はどうなるのか?果たして夢はかなうのか?

感想

アカデミー賞最多ノミネート。6部門受賞。
公式の”圧倒的音楽×ダンスで贈る極上のエンターテイメント!”
ポスターのコピー”本年度アカデミー賞大本命!” ”観るもの全てが恋に落ちる”
という前評判が高すぎたと、個人的には思う。

「どんなにすごい映画だろう」と思って見てはだめだなと。
あくまで個人の感想だが傑作では無く、良作。
前評判を知らなかったら、もう少し楽しめたかなと。ハードル上げすぎ。

映像はキレイ。音楽についても賛否あると思いますが個人的には良かった。
ただストーリーはん…。?という感じ。

ネタバレになるので詳細割愛しますが、悪い意味でどんでん返しを食らいました。
このどんでん返しも、賛否ある訳ですが「映画の中ぐらい現実ではない夢をみせろよと」個人的には思う訳です。
そもそも、ミュージカル映画の時点で現実的な話は求めてないわけで。

という訳で、見たことが無い人には見てもいいんじゃない?と軽く進められますが、ポスターやらジャケットやらを見て”見たい”となってる人は、一度落ち着いて見ましょうね。

レビュー的なSomething(ネタバレ)

①エンディングについて

1発目に持ってくる内容ではないと思いつつ…。
ここがやっぱり気に食わないので、1つ目で紹介。

この『ラ・ラ・ランド』。私もそうですが、やっぱりこのエンディングの感想で作品全体のレビューの良し悪しが分かれている事が多いです。

サクッとエンディングの内容を書くと
=====================
5年後、ミアは女優として成功を収め家族を持ち幸せな家庭を築いています。
旦那さんは、というとセバスチャンでは無くデヴィッド。
ミアとデヴィッドは用事があり出かけるのですが、途中で渋滞に会い、仕方なく夕食だけとって帰ることに。
そんな中、街角から聞こえてくるジャズの音色に誘われ、入った店の壁には"SEB’S"の看板が。
看板が表す通り、その店はセバスチャンの店なのでした。
セバスチャンが演奏を始めると”if”の二人が家族になっている幸せな妄想が流れます。
ただ、それはあくまでも妄想。
演奏が終わると、ミアはデヴィッドと店を後にするのでした。
最期に、二人は言葉を交わすことも無く見つめ合い、微笑むのでした。
=====================
みたいな感じ。全然サクッとじゃないけどその辺は許して欲しい。

でこのエンディングって結局は
・二人とも当初の夢を叶えました。
・二人は結ばれませんでした。
・二人が夢を捨てれば、二人で結ばれる結末もありました。
て事だと思うんですが…感想でも書いたけど、ミュージカル映画にそんな現実路線のエンディングは要らんと。
映画全体から伝わる雰囲気とか、それを取り巻くポスターとかジャケットとかから感じるエンディングはこれじゃない感が強い。

”If”を見せる事で「夢を叶える為には仕方なかった」感を出しますが、夢を”2人で”叶えるのが夢なんじゃないのと。
セバスチャンに関しては、店の外壁にミアのポスター貼ってバンドを辞めて店持ってるけどこれは夢がかなったのか??当初の場所じゃないし、夢を叶えたというより叶えられた夢なんじゃないの?と。
何ハッピーエンド気取ってんの?
ifを見せるって『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』ですかって感じに私はなりました。
っていうか、デヴィッドって誰やねん!せめて春夏秋冬で匂わとけよ!

②全体的に女性寄り

これはストーリーの展開上致し方ない部分もあると思いますし、女性が見れば共有するんでしょうが…男性から見たら「そこは配慮してあげて」と思う所も多い。
そんな事もあって、セバスチャンに感情移入してしまう訳ですが…。

それが一番顕著なのは”あらすじ”でも書いた何気ない電話。
母親に対し、ミアはセバスチャンを紹介するんですがその中で彼に聞こえるような声で
「彼にはきっと貯金がある」みたいな話をするんです。
ミアは母親を納得させるために悪気無く言ってるんでしょうが、受け取りての男性としては”将来”を考えるとどうしても”現実”を見なくちゃいけないのが男性だったりする訳です。なんだったらきちんと働いていない事への嫌味にも聞こえる。それはひねくれすぎ?

でもこの会話が、物語を転換させるんですよね。
将来を見たセバスチャンは、やりたくないアレンジされたジャズバンドに参加することを決意。ミアはそんな彼をみて「やりたい事じゃないじゃない」と問い詰める始末。
セバスチャン。可哀想すぎ。
そんなつもりじゃなくても、言ってもらわないと分からんわ。お互いにだけど。

でもそんな事があっても、献身的なセバスチャン。
そしてあのエンディング。なんだかなー。

③よく言われるジャズについて

これに関しては、他の方のレビューでよく見るジャズの事ちゃんとわかってるの?
ちゃんとジャズしたいんだったら、与えられた仕事できちんと成果を出しなさい。
貴方のジャズは正統派のジャズじゃない!みたいな批判ですね。

私はジャズを知らないので、本来の正統派ジャズが分かりません。
なので気になりませんでしたが、気になる方は、気になるんですよね。
分かります。

④よく言われる迷惑行為について

・飲酒運転上等。飲んでも常に車で帰る。
・映画の約束とデートのディナーが被って、ディナーを途中でブッチ。バックれ。
・映画館でセバスチャンを探すために上映中のスクリーンの前に仁王立ち。
・プラネタリウムに忍び込む
・ブッチした脚本家の彼はルームメイトの友達
…etc。
が槍玉に上がりますが。これは分かります。
見ながら「いやいや」となりましたよ。
映画の外なら、1つでも該当したら知り合い辞めるレベルです。
ただ映画なんだから。非日常の世界なんだから。と言われるとそうですねとしか言えない。
でもそうならエンディングも非現実で良いじゃないか!と言いたいがそこは堂々巡りなので割愛します。

⑤ちなみに、「ラ・ラ・ランド」の意味。

ラ・ラ・ランドの意味ですが、英語表記で「La La Land」。
意味としては、
1)カリフォルニア州ロサンゼルス
2)現実離れした世界
3)おとぎの国現実から遊離した精神状態
だそうです。物語的にどの意味でも当てはまりますし、トリプルミーニング感もあります。
ちなみに、1)
ロサンゼルスの略称”LA”から。

総評

・色々書いたものの、作品として面白い。良作。
・見たことない人。これから見る人は勝手にハードル上げない事。
・多分、自分で設定したハードルは超えてこない。
・エンディングは賛否両論。受け手の感じ方が分かれるエンディングなので仕方ない。
・個人的にエンディングがハッピーエンドにどうしても思えない。
・人に勧められるかと言えば、女性には進められる。
・男性は見たければどうぞって感じ。

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