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シネマレビュー:『カル』1999年

カル サスペンス
出典:Amazon
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1999年公開の韓国映画『カル』の作品紹介と簡単なあらすじ。感想とネタバレを含んだ考察を公開しています。

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作品紹介

猟奇殺人を題材とした韓国のサスペンス・スリラー。
主演は『八月のクリスマス』のハン・ソッキュとシム・ウナ。
90年代の韓国映画の火付け役ともなった『八月のクリスマス』『シュリ』などに並ぶ大ヒット作品。

あらすじ

ある日、河川敷で体の一部が欠損した無残なバラバラの死体が発見された。
この死体は切り離されただけではなく、足だけが別人の足であることが分かり
猟奇的な犯罪が少なくとも2回以上行われている事を意味していた。

エリート刑事であるチョ・ミンスク(ハン・ソッキュ)は、この事件に対して特別捜査班を設置して捜査を開始する。

しかし、捜査は難航。難航している間にも第二、第三のバラバラ死体が見つかる。1人目の死体同様に、第二第三の死体も皆、どこかの部位が欠落した状態で発見されたのだった。

第三の遺体は残された歯形から身元が判明し、身元引受人となっていた元恋人のチェ・スヨン(シム・ウナ)が故人の唯一の接点として浮かび上がる。
捜査を続けていく中で、彼女は一連の猟奇殺人で亡くなった3名全員と過去に恋愛関係にあったが判明する。

事件の中でチョに心を許していく、スヨン。そんな彼女の周りで起き続ける猟奇犯罪。
一連の犯人はだれなのか??二人はどうなっていくのだろうか??
答えの無い衝撃の結末とは一体…。

感想

90年代の韓国映画は、基本的に暗い。と個人的には思うのですが、この作品もその感想に漏れず”暗い”。
悪い意味ではなく映画のストーリー展開にあっていて非常にいい味を出してます。

この作品は、そんな”全体的に暗い”雰囲気の中で猟奇的な殺人事件を中心とした登場人物の愛憎劇が描かれています。

作品的には個人的には非常に面白いと思います。
最初はリアルタイムで見たのですが、再度見直しても面白いと感じます。
※思い出補正も入ってるとは思いますが。

とは言え見る人を選ぶ作品かとは思います。
まず、グロい。エレベーターの中でドぎつい描写のバラバラ死体が出てきたり”耐性”が無いと、まず見続けるのがしんどいです。多分。

ネタバレになるので、感想ではあまり触れませんが…。
作品の展開を視聴者に丸投げするところがあり、視聴者が補完したり考察することを前提としているので、そういった内容に抵抗がある人にも進められない作品かと。
※公式にも『カル』の13の謎が出題されていたほど、回答が当初より設定されていません…。

上記の2点から「韓国版セブン」とか言われたり、書かれたりしていますが”猟奇的”。”一部の解釈を視聴者に委ねる(デヴィッド・フィンチャー作品によくあるやつ)”という部分は共通していますが、その度合いが『カル』の方が大幅に強め。

モヤモヤしてでも、自分で謎解きをしている感覚になりたい。
スプラッターも大丈夫という人はぜひ見てみては??

レビュー的なSomething(ネタバレ)

①犯人はだれなの??

これは、分かりません!
というか明かされません。”あらすじ”に書いた「答えの無い衝撃の結末」ですね。はい。見事に回収!
放映当時は各サイトで考察や、本命候補なども討論されていましたが今は昔。
結局は自分の中で考えて折り合いをつける事になります。
なので、この映画は2人以上で見るか見たことがある人と視聴後に話す事を前提に見る事をお勧めします!!!

ストーリー上は、犯人と思われる人が出てくる度に殺されるので一番疑わしいのは”スヨン”。っていうのが順当な犯人説だと思いますし、個人的には、主犯格はスヨンで良いんじゃないかと思ってます。

この犯人はこいつだと思ってから裏切られるという展開が何回もあり、いい意味でゴリゴリ裏切ってきます。なので順当でいいのか?は個人の解釈という事で。

とは言え考え方ひとつで、他の人でも犯人になり得るしストーリー上での解釈が通ってしまうのがこの作品の面白い、人によっては面白くない部分なので是非、自分なりの犯人を捜してください。

②色んな謎

犯人が分からない上に、それを考察するにも”謎”があるというトンでも作品。
感想にも書きましたが、公式にも”謎”を提供してくるといドSっぷり。
本当に多い。放映中は登場人物だけがその謎を理解して、視聴者を置いてきぼりにします。でも多分「こうだ」で見れてしまうのが怖い。

もしこれを読んで、見ようと思う人がいたら先に言っておきますが…。
少なくとも2回分(4時間)は時間を確保した方が良いかと!!
ただ内容と、暗い雰囲気と頭を使わされるので、体力に余裕がある時に。
監督は6回見れば、すべての謎が解けると仰ってるそうですが…。さすがに半日分の時間をかけるかはね…。
序盤の見落としは結構多い。
ちなみに、『「カル」の謎―韓国史上最も凄惨な連続殺人事件』という解説本も発刊されていますが、こちらも謎の整理と詳細な内容を補完してくれるもで、回答が載っているわけではありません。

③バラバラの遺体

作中で登場する、バラバラの遺体。
この遺体は”あらすじ”でも書いたように、一部が欠損してるんですね。
そして全部の遺体を集めても、パーツが足らない!という異常な死体なんです。
結局、足らない部分は最終的には、どうなっていたかが分かるんですが…。
答えがパーツを組み合え合わせて、1人の人間(首は無い)を作ってました!なんですよね。
これってストーリーの展開を純粋に受け入れると、父からの長年の性的虐待を受けていたスヨンが「殺してバラした男どものパーツをつなぎ合わせて、理想の男性を作ろうとしていた」って事だと思われるんですが…。
男性が女性を虐待→そのせいで女性が男性を殺して理想の男性を…
っていう構図で、ウロボロス的というか、クラインの壺というか、なんだか考えさせられますよね…。虐待ダメ。絶対。

④熱帯魚

終盤、スヨンは一連の事件を忘れる為にも、フランスに行くことを決めチョ刑事に瓶に入れられた熱帯魚とチョ刑事を描いたスケッチブックを渡し去っていくシーンがあります。
また、これも終盤にポラロイドカメラで撮られた、熱帯魚の入った瓶を持ってるスヨン+被害者たちの生前の写真が見つかるんです。
この流れは殺す相手には”熱帯魚の入った瓶”を贈ってたとも取れるのでゾクッとするシーンでもあるのですが、一旦それは置いておいて…。。

同じく、韓国映画の『シュリ』でも”キッシンググラミー”が重要な役割を果たしていて、こちらも終盤に人に贈る(渡される)んですが韓国って熱帯魚を贈る文化でもあるのかしら?検索しても出てこない…。どうなんでしょ?

総評

・猟奇的。スプラッター。しかも結構ドキツイ。
・サスペンスものだけど、答え合わせは視聴者に丸投げ。
・上記2つが大丈夫な人は面白い。全然見る事を止めない。むしろ推奨。
・時間泥棒。あと体力も奪う。
・結局、正式な回答って何なんだったんだろう。今となっては分からない。

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