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映画『セッション』の何がヤバいか!?性格破綻者同時の殴り合い。物語の“謎”も検証!

映画『セッション』の何がヤバいか!?性格破綻者同時の殴り合い。物語の“謎”も検証! Movies
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謎7.ニーマンは自主退学したのか?退学させられたのか?

セッション_自主退学なのか退学処分なのか
出典:AmazonPrimeVideo

謎6の事故後のコンテストでニーマンはフレッチャーに激昂。取っ組み合いになり「死ね!」とまで言い放つ始末。米国一の音楽大学であるシェイファー音楽院がこの顛末に対して出した結末は??
これについても”ハッキリ”と明言されておらず、大学からの退学処分なのか。はたまたニーマンが処分を言い渡され先に自主的に退学したのか。は視聴者次第…。

ですが、この”謎”については本筋の通り”退学処分”にあったが正解かと。画像の通り文章もシェイファー音楽院より発行されていますし、普通に考えてコンテストの暴行が無くても謎6の事故だけでも十分退学処分が相当。

ニーマンはシェイファー音楽院から退学処分にあった

謎8.ニーマンは結局告発したのか?してないのか?

これも、明言されていません…。
まず、【告発した】とする場合の根拠は、フレッチャーがニーマンに「密告したのは多分、自殺した生徒の同期だと思う」と語ったのに対し、それを受け入れるニーマンですが、本来はフレッチャーからは”事故死”と聞いているハズのショーン・ケイシーの死因を”自殺”として受け入れている=真実を知っているから弁護士に告発しているハズ。というもの。

逆に【告発していない】の根拠は、弁護士から話は聞いているから上記の死因を知っているのは普通の流れ。結局それでフレッチャーは断定したが、ニーマン自体はフレッチャーを憎んではいるが音楽界からの放逐までは望んでいない。と言うよりフレッチャーによる生徒へのマインドコントロールがそれを許さず、告発していないというもの。

実際、後者の感情論は音楽をニーマンが捨てる事を一時的とは言え選んでいるので根拠的には厳しい気もしますが、私自身は初見では後者の意見で、今となっては前者なのかな?という感じ。
答えになって無くて申し訳ない…。

多分回答は、フレッチャーのパワハラ教育を告発した

謎9.JVCフェスでのニーマンへの仕打ちは復讐か、教育か?

セッション_JVCフェスでのニーマンへの仕打ち
出典:AmazonPrimeVideo

ニーマンはシェイファー音楽院を退学になり、フレッチャーも告発を受けシェイファー音楽院を退職。
そんな中、ニーマンは通りがかったライブハウスでフレッチャーの名前を見つけ店内に。
そこで、見た目上は2人は和解し、フレッチャーに誘われヒョイヒョイニーマンはJVCフェスにフレッチャーの率いるバンドメンバーとして参加する事に。

フレッチャーから聞かされていた、演奏曲はこの映画で一番流れる”Whiplash”。しかし実際に演奏が始まると演奏曲はT・シモネックの”アップスウィンギン”と違う曲。
演奏前には、フレッチャーから「私をナメるな。密告はお前だな?」と言われる始末。焦るニーマン。グダグダの演奏。

少し時間が戻りますが、演奏開始前にメンバーが集まっている中フレッチャーは、今夜は全員にとってスカウトの目に留まるチャンスであり、それは逆に無様な演奏をした場合には音楽家としての終わりだと念押し。その上で、この仕打ち。フレッチャー自身のキャリアを傷つける可能性もあるにも関わらず。ニーマンの音楽家として人生を終わらす事を第一優先に…。怖い。狂人

この状況はどう考えても、これまでの流れから”自分で最高の演奏家を育てる””指導家として優れた人材になる”夢を頓挫させられたフレッチャーによる、ニーマンへの復讐でしょう。

この一連の流れで、ニーマンは過去を吹っ切り才能を開花させる事になりますがフレッチャーからすると偶然の産物で、指導では無かったハズです。実際2曲目の開始時、戻ってきた時には想定外の顔を見せていますし…。

フレッチャーの仕打ちは十中八九、復讐

謎10.フレッチャーの最後の言葉は?

セッション_フレッチャーgoodjob
出典:weheartit.com

フレッチャーが英語で最も危険な2語の言葉だという「Good Job」で間違い無いかと。
最終的にニーマンの演奏を聴き、自分のこれまでの教育の結晶が目の前にいる。1つの到達点を迎えた。そのタイミングで口から出る言葉はそれであってほしい。
それでこそ、至高の9分19秒。

このシーンは口元も映っておらず、音声も無いのでそうあって欲しいという気持ちが強いが、見れば見るほど「Good Job」という発音の口元に見えなくなる不思議。とは言え、その後のニーマンのこの笑顔。お互いが認め合った瞬間。
やはり、
「Good Job」でしょう!!!

セッション_果たして勝者は?
出典:AmazonPrimeVideo

という事で、最後のフレッチャーの言葉は「Good Job」!

謎11.果たして勝者は?

セッション_果たして勝者は!?
出典:AmazonPrimeVideo

1曲目をフレッチャーにしてやられたニーマンは一度は席を離れますが全てを吹っ切り、というか音楽家としての最後の演奏を仕掛けます。それはフレッチャーの指示を無視してのて勝手にキャラバンの演奏開始。

廻りのメンバーも始まった演奏を無視できず、そしてフレッチャー自身もフェスの最中の檀上では止める事も出来ず、キャラバンの演奏は続きます。そしてキャラバンの演奏が終了してたらニーマンのターン。というより戻ってきてからはずっとニーマンのターン。そのまま勝手にドラムソロに突入。覚醒したニーマンの演奏を目のあたりにして、フレッチャーは復讐を忘れニーマンを補助し指導し最高の演奏で幕を閉じる。

この作品を、2人の音楽に生きる狂人の戦いの物語とした時に、果たして勝者はどちらでしょうか?
ニーマンとしては、精神的にも学歴でもフレッチャーにボロボロにされたが結局はJSVフェスで才能を覚醒させフレッチャーからも認められるドラマーに成長。描かれてはいませんが”きっと”スカウトの目にも届いた事でしょうし、音楽家として終わるどころか、これから始まっていく可能性もあり最終的には逆転勝利と思えます。
フレッチャーにしても、自身の指導家としてのキャリアを夢をニーマンに打ちのめされ(まあ自業自得ですが…)、更には最高の復讐の舞台もひっくり返されましたが、こちらも結局は自分が指導家として目指していた才能の終着点を始めて見つけた事は勝利と言えるかもしれません。

という事で、どちらも結局は歪んだ道のりを歩みましたが”自分の望み”を叶えたという点では勝者と言えるのではないでしょうか?玉虫色の回答…。

多分、フレッチャーはこのニーマンの覚醒を自分の指導のお陰と言うでしょうし、今後の音楽家としてのキャリアを考えれば、その発言に乗った方がニーマンは得があるので、いがみ合いながらも2人の関係は続くのでしょう…。

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映画『セッション』まとめ

という訳で、音楽家として狂う2人の人物と『セッション』の本編で語られなかった”謎”を考察していきましたがどうだったでしょうか?まだ観ていない人も、観た人もこのページを見て少しはスッキリしてもらえたら、(もう一回)観たいと思ってもらえれば幸いです。

ちなみに邦題の『セッション』の意味は、複数人での即興の演奏。アドリブ演奏という意味合いなので、この作品では意味が合いませんが、あまりジャズが浸透していると言えない日本では直感的にわかる良い邦題だと思っています。最後の2人のやり取りは”即興”ですし。

それでは、ここまで読んで頂きありがとうございました!!

セッション_オフショット
出典:Getty

コメント

  1. ちょっと浅いかもしれません。50代のオッサンですが
    私はJVCの演目の罠は「指導」とみました。
    ジャズは初見でどれだけ合わせられるかで能力見ると思うのです。
    「セッション」というタイトルからもわかります。

    破天荒な指導と破天荒な生徒、という軸で物語が展開しています。
    それは楽譜通りのクラッシックとは違う「ジャズセッション」なのです。

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