サスペンス映画コラム映画レビュー

シャマランの3部作。『アンブレイカブル』『スプリット』『ミスター・ガラス』は流れで観よう!

サスペンス
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初見殺し。あまり知られていない3部作。

1つ1つの映画としては知っていても、実は”3部作”な事を知らない人も多いのでは?
このM・ナイト・シャマラン監督が19年の歳月を掛けて制作した『アンブレイカブル』『スプリット』『ミスター・ガラス』の3部作。○○シリーズとか、エピソード○○とか分かりやすいネーミングでは無いので、全く予備知識が無いと3部作だとは気付かず、順番を間違えて単体で見てしまう危険性があります。私の近所にあるGEOでも『ミスター・ガラス』のポップに”単体映画”の様な説明があったりするので、本当に要注意!!

基本的には『ミスター・ガラス』のみ、単体で観ると”??”になるので、単体で観るのは危険。
他2作はそれだけを観ても十分に楽しめます。結論的には最後に『ミスター・ガラス』さえ見れば大丈夫。
とは言え、折角の3部作。順を追って見る事をおススメします!!

どんな物語なのか??

まだ観た事が無い人に、どんな物語なのか簡単に紹介を…
こちらの3部作ですが、<ざっくり>いうと、全てを通じて”ヒーロー”や”ヴィラン”は実在するのか?コミックスで登場する”彼ら”が実際にいたら”どんな存在”なのか?という事を”現実”目線で描かれています

これが、面白い!結局、全作品を通じて”語られる”のは現実世界に彼らがいれば”善”であれ”悪”であれ異質な存在だという事。
監督を務めているのが『シックス・センス』『サイン』のM・ナイト・シャマランなのでやはりサイコ・スリラー、暗いタッチでストーリーが展開していきます。どの作品も”どんでん返し”というか、斜め上の展開を見せるのは流石。
以下では、<ネタバレ>しない程度に作品ごとの簡単なストーリーを紹介していますので、サラっと見て貰えれば。

『アンブレイカブル』(2000年)

出典:disney.co.jp

2000年に公開された第一作。この作品だけで結構”完成”されています。
20年前の作品ですが、作品の”結論”に至るまでのプロセスが非常に斬新で”今”観ても十二分に楽しめます。
サイコパスなキャラクターと”サミュエル・L・ジャクソン”の組み合わせの安心感たるや。ですよ!

ある種の”進化”とか、”人の可能性”を考えさせる物語。

『アンブレイカブル』の”あらすじ”

フィラデルフィアでフットボール・スタジアムで働くデヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)は、NYから自宅に戻るために長距離列車に乗車してたが、その列車が暴走脱線し”デヴィッド”1人を除いて乗客131名全員が死亡する事故に見舞われる。
唯一の生存者であるデヴィッドに連絡してきたのが、画廊「リミテッド・エディション」のオーナーでコミック研究家のイライジャ・プライス(サミュエル・L・ジャクソン)。彼は、些細なことでも骨折してしまう骨形成不全症という”壊れやすい”人間で、アメコミの膨大な物語は人類史の真実を反映していると信じており、デヴィッドこそが自分と真逆な位置に存在する”壊れない”(アンブレイカブル)肉体を持つ超人ヒーローではないかと考える…

『スプリット』(2016年)

出典:dTV

この作品も、エピローグまで見てやっと続編だと分かる”単体”でも完成されている作品。
純粋にこの作品だけでも、多重人格の誘拐犯と誘拐された女子高生とのサスペンス・スリラーとして”十分”に面白いです。

中でも23もの人格を持つ解離性同一性障害(多重人格)ケビンを演じるジェームズ・マカヴォイ。作中では全人格は出てきませんが…それでも各人格の違いが表情や演技で”ハッキリ”分かるのは凄い。
こちらも”狂気”と病と、”人間の可能性”みたいな物語。

『スプリット』の”あらすじ”

学校でも”浮いている”女子高生ケーシー・クック(アニャ・テイラー=ジョイ)は、クラスメイトのクレアの誕生日パーティーの後、クレア、マルシアと共に見ず知らずの男性ケビン(ジェームズ・マカヴォイ)に突然襲われ誘拐される。
気付いた3人がいたのは最低限の設備しかない窓のない部屋。目の前に現れた誘拐犯は”会うたびに”キャラクターの違う”狂気”を孕んだ人物で、3人は「不道徳な若者であり、生贄として連れた来た」事を告げる。
そんな環境の中で3人は必死に脱出を図ろうとするのだが…。

『ミスター・ガラス』(2019年)

出典:Amazon

この作品は前作2本の映画の決着点であり、前作を観ている事を前提の作品。
これだけ観てもはっきり言うと”面白くない”です。多分。
しかも、1作品でも欠けてると同じ感想になると思います。
是非、順番は問いませんが『アンブレイカブル』『スプリット』を観てから視聴して下さい!!

『ミスター・ガラス』の”あらすじ”

『アンブレイカブル』の主人公デヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)は”監視人(オーバーシーヤー)”と世間からあだ名され、息子のジョセフと共に犯罪者を取り締まる”ヒーロー”として活動していた。
そんな中、「ケビン・ウェンデル・クラムという解離性人格障害の男が、女子高生を倉庫に監禁した」という話を聞き『スプリット』で登場したケビン(ジェームズ・マカヴォイ)を探し出し、女子高生を救出するのだが2人は戦いの後、警察に逮捕され精神病院に送られる。
その精神病院には”ミスター・ガラス”ことイライジャ・プライス(サミュエル・L・ジャクソン)も収監されており、そこで彼らは精神科医のエリー・ステイプル(サラ・ポールソン)から3人共に”特殊な力”を持っていると”思い込んでいる”精神疾患の患者である事を告げられる…。

3部作の”共通点”とは?

あらすじを読んでも、色んな”精神的”にヤバそうなキャクターがいっぱい出てくるサスペンス・スリラー作品×3本みたいな感じになってしまいますが、3作品に通じる”共通点”としては
「先天的でも後天的であっても、”特殊な個性”や”非凡な才能”の様なマイノリティーに対し、それが”善”であれ”悪”であれ社会は受け入れない」事への批判。
をみんなが大好きな”アメコミ”を通じて映像化したみたいな感じかと思っています。
暗いサスペンス・スリラーが好きな人。非現実だけど現実を感じられる作品が好きな人は一度観てみて下さい!

続きは<ネタバレ>を含むので次ページで書きます。”観たことある人””気になる人”は次ページで読んで貰えると嬉しいです。

主要3キャラクターと、その”共通点”

3部作の”共通点”でも書いた通り、主要3キャラクターの”共通点”も「異端である事=普通ではない事」。
多分、アメコミのキャラクターをイメージしたキャラクターとなっているので合わせて確認してみて下さい。

デヴィッド・ダン(監視人 /Overseer)

出典:IMDb

『アンブレイカブル』で自身が超人的なパワーと”壊れない”強靭な肉体を持つ事が分かった”デヴィッド・ダン”。世間からは”監視人 /Overseer”と呼ばれヒーローとして活躍をしており、『ミスター・ガラス』でもその能力は健在で、世間からの評価/評判も5年間の間で定着したよう。
主な能力は前述の「傷つかない体」「怪力」さらに相手にを触れる事で”悪事”を察知できるサイコメトリー能力。弱点は”水”。結構身近な部分に弱点があるのも”アメコミ”のヒーローと言った感じ。
シャマラン作品の暗い世界観と合さりMARVELというより、DCコミックに代表されるようなヒーロー像。
大学生の頃はフットボールの選手であったり、NYで就職しようとしたり、不死身の肉体に簡単な弱点など、モデルは”スーパーマン”だと思われ
る。”正義”サイドの”異端者”としてはこれほど有名なヒーローもいないのでモデルになるのも頷けます。

イライジャ・プライス(Mr Glass)

出典:IMDb

『アンブレイカブル』で”ヒーロー”を探す為だけに”大量殺人”を繰り返したシリアルキラー。
デヴィッド・ダン(監視人 /Overseer)と対になる存在で、真逆の”壊れやすい身体”に飛びぬけて優秀なIQを持つ。
『アンブレイカブル』で彼の母親が言っていた「悪者には2種類あるんですって。ヒーローと戦う戦士としての悪者でしょ、そして本当に怖いのはもう一つの方。悪魔のような頭脳で戦う悪党ですって。」
の言葉で言う”悪魔のような頭脳で戦う悪党”。
特殊な能力こそ持ち合わせていないが、その高いIQで指示をして他者を出し抜き”自分の想う事”を実現させていく。
モデル的には、身体的な特徴的に”プロフェッサーX”かと。
”異端”が好奇の目に晒されている世界の中で、”異端者”を集めよう/目覚めさせようとする所も『X-MEN』と重なるところがありますね。

ケビン・ウェンデル・クラム(群れ/The Horde)

出典:IMDb

『スプリット』で初登場。誘拐犯で23もの人格を持ち『スプリット』時点で人格の主導権を握っている主な3人格は基本的に”サイコパス”。”ビースト”と呼ばれる24番目の人格こそがヴィランとしては真骨頂です。
”ビースト”を維持するためには<不道徳な若者の生贄>が必要なので、女子高生を監禁して食べます…。その能力は絶大で”ビースト”になると力は非常に強大になり、ライフルで撃たれようと時間がたてば自然治癒し、指が掛からない様な垂直な壁でも登れる。と言った”ヒーローと戦う戦士としての悪者”という立ち位置。

モデルはMARVELのヴィラン全般みたいな部分がありますが、一番近いのは”セイバートゥース”かも知れません。

シャマラン3部作に”他の”ヒーロー/ヴィランがいない理由とは?

この作品の世界で”なぜ”スーパーパワーを持ったヒーローやヴィランが存在していないかは『ミスター・ガラス』で明らかになるのですが、そもそも、この映画の世界は基本的には私たちが過ごしている日常生活と同じで”潜在的”にパワーを持っている人がいるが、気付かず過ごしているんですね。
そんな”潜在的”にパワーを持っている人が、自分の異常性に気付いた/知る事で、<能力>が発現します。
『アンブレイカブル』ではイライジャが電車脱線事故を起こし、ケガも無く生き残ったデヴィッドが過去を振り返り、自分の異常性に気付き、イライジャに導かれる事で<能力>が発現しているのが分かりやすい例ですね。
なので、スーパーパワーを持つ彼らを見て、自身の”異常性”に気付けば”潜在的”にパワーを持っている人が目覚めるかも知れない。という世界なんです!

ここで、最初の<『ミスター・ガラス』で明らかになる>の部分に戻ります。
『ミスター・ガラス』では主要3キャラクターは研究施設に収容されて、女性精神分析医であるエリーから<能力>は”思い込み”だと矯正を働きかけられます。なぜ、そんな”矯正”をしていたのか?が”他の”ヒーロー/ヴィランがいない理由の答えです。

出典:Amazon

彼女たちは、世界にヒーローが誕生しない様に世界を監視/矯正する秘密組織の一員でした。
彼女たちの組織は”3つ葉のクローバー”の刺青をしており、各地で<能力>を発現させた人を秘密裏にに矯正、葬っていたのです。それによりこの世界では”ヒーロー”や”ヴィラン”がいない事になっていました。

3部作の”最後”は??

出典:Amazon

デヴィッドやイライジャ。ビーストも”3つ葉のクローバー”の組織に結局葬られ、一連の騒動は幕を引いたと思われましたが…。そこはイライジャ”ミスター・ガラス”。
この組織との対決。監視人とビーストの戦いをネットを利用して世界中に配信します。
この世界では、自分に力があるかも?と気付きさえすれば、いずれ能力が発現するので3つ葉のクローバー”の組織の企みを砕く事に間接的に成功します。彼のお母さんも満足気です。

出典:Amazon

3部作では語られませんが、その後の世界では”ヒーロー”も”ヴィラン”も多分、多く発生しているのではないでしょうか??

シャマラン3部作の最終的な感想

とここまでも書いてきましたが、作中のセリフ「ヒーローであろうと悪役であろうと関係なく、バランスを崩す者は正す」という”異端”を排除する世界へのアンチテーゼみたいなものが『ミスター・ガラス』で描かれ、3部作を通じそういったメッセージ性のある映画だと思っています。
『ミスター・ガラス』以外は単体で観ても、サイコスリラー作品としても非常に面白いですが3作品全てを観る事でその”内容”というか”結論””感想”が変貌する様な作品です。
細かい事を言えば…

・デヴィッドの弱点は水。でも水の中でも貯水タンクをぶち破るぐらいの破壊力は出せる。
 でも水溜まりに顔を突っ込まれると人並みの力しか出ない。
・イライジャは5年間以上、隔離されているのに動画配信をスムーズにできる。これはIQの問題じゃないのでは?

とか突っ込み所もありますが、非常に面白い作品なので1作でも興味があれば是非、3部作で観てみては?

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